ひな祭りの歴史的な起源というのは諸説あるようで、記録に残っているもので、平安時代の貴族の子女の「遊びごと」だったというものがあります。初めは儀式というよりも女の子のお人形遊びだったのですね。
江戸時代になり、この「人形遊び」とこの時期の「節句の儀式」が結びついて全国に広まり、お雛様が飾られるようになりました。さて実際、お雛様はいつからいつまで飾るものなのでしょうか。そして、繊細なお雛様の仕舞い方などをご紹介しますね。
ひな祭りのお雛様はいつから飾ればよいの?
お雛様のお祭りは従来の「お人形遊び」が江戸時代に上巳の節句と結びついたものです。
節句とは季節の節目の行事ですので、上巳の節句の場合、「立春」が目安になります。
立春は節分の翌日になります。
また、二十四節気の第二中気に当たる「雨水の日」が、お雛様を出すのによいとも言い伝えられています。
これは、雨水の日のあたりは、雪氷がとけて雨水となり、寒さも峠を越え、春の兆しが感じられる頃であり、春の節句にふさわしいといえるためでしょう。
ですので、立春を過ぎた雨水の日かお天気のよい日中に風を通しながらお雛様を出しましょう。
大安を選んで実行する方もいらっしゃいますが、気の持ちようです。
雨が降っているのに大安だからと無理をするのは本末転倒です。
そして、気が急いているときもお雛様を出すには、向いていません。
落としたり、ぶつけたりして、壊してしまったら、元も子もありません。
子どもたちと一緒に出すのもよし、うちでは、子どもたちが学校へ行っている間に出しておいて、帰宅後にびっくりさせるというパターンでした。
お雛様を出したときに、一年間しまっておいた箱などの中味を整理しましょう。
防虫剤や除湿剤の古いものは処分、緩衝材やビニール袋も汚れなどないかチェックしておくと、しまうときにあわてることがありません。
おひな祭りを旧暦で行なう地域はゆっくり出して旧暦まで飾ったりと、地方によってそれぞれになりますので、お住まいの地域の習慣などをリサーチしておくと気持ちにゆとりが持てますね。
ひな祭りのお雛様をしまうのはいつ?
お雛様は3月3日を過ぎてから仕舞うのが一般的ですが、地方によっては、旧暦まで飾るところがあります。
二十四節気で言いますと、雨水の日(2月19日頃)から啓蟄(3月6日頃)までとも言われています。
お雛様をいつまでも出しているとお嫁に行けないというのは迷信です。
季節の節目の行事なので、そのけじめは守りつつもせっかくのお飾り、たっぷりと楽しみたいものです。
新暦の3月3日のおひな祭りでしたら、3月の中旬くらいまでに、旧暦でしたら4月中旬くらいまでに、お天気のよい日を選んで、行ないましょう。お天気のよい日を選ぶのは、お雛様の着物などの素材である絹の大敵である湿気を一緒に仕舞い込まないためです。
繊細なお雛様の仕舞い方は?
お雛様を仕舞うときは、お天気のよい気持ちに余裕のある日にしましょう。
二週間から一ヶ月くらい飾っていると、薄っすら埃が積もったり、お子様が触った後が黒く汚れたりしていることがあります。
ほこりは、乾いた柔らかい習字の小筆で払い落とし、顔の部分は目に見えない皮脂などの汚れを乾いたガーゼで軽く拭きます。
そのまま仕舞ってしまうと次の年に出した時に染みになっていることがあり。そうなると、なかなか取れません。
お雛様の顔には水は使えませんので、気をつけましょう。
お雛様の衣装はハタキか小筆で埃を掃いましょう。塗りの小物類は指紋などを柔らかい布でふき取ります。
一番空気の乾いているお昼前後の数時間で陰干しをして、仕舞います。
仕舞う前に和紙かティッシュでお顔を軽く覆い、テープで留め(テープはお顔や髪につかないようにする)柔らかい紙かティッシュで包み、人形用の防虫剤を入れて仕舞います。
お雛様はとてもデリケートで、湿気だけでなく臭いも付きやすいです。タバコの煙や料理の臭いにも気を付けて下さいね。
ひな祭りお雛様いつからまとめ
お雛様は女の子のいるご家庭では、とても楽しみなイベントですね。もともとは平安時代の貴族の子女のお人形遊びだったもの。
それが江戸時代に節句の行事と結びつきました。
季節の節目の行事ですので、立春を過ぎて飾り、啓蟄(けいちつ)を過ぎる頃に仕舞うなど、お節句の意味などを考えるよい機会になると思います。
お雛様を出すときは、お日柄を気にする方もいらっしゃいますが、お天気も重要です。
湿気のない晴天の日を選びましょう。
仕舞う時は汚れや埃を落としてから、顔や着物を和紙やティッシュで丁寧に包んで、防虫剤を入れます。
湿気だけでなく臭いも付かないよう気を付けて下さい。
毎年取り出すときにお顔を見て思わずこちらの顔がほころんでしまう、それはお人形を大事に扱うことと、子どもたちを大切に育てることとが繋がっていると感じる瞬間です。