お正月のお供え餅を下げて食べる行事を鏡開きと言います。
お供えを捧げるのは、門松やしめ飾りを飾るのと同じ12月28日が良いとされています。
これには8の数字が縁起がいいからとか、押し迫った31日ですと、一夜飾りは縁起が悪いなどという言い伝えからの理由もあります。
では、お供え餅を下げるのは、門松やしめ飾りを片付ける日と一緒なのでしょうか。
鏡開きのお餅はいつ下げるの?
門松やしめ飾りについては、一般的に、1月7日に片付けるといわれています。
これは、1月7日までは松の内と言われていて、お正月の神様がいらっしゃる間だからです。
では、お供えにしている鏡餅を下げるのはいつなのでしょうか。
こちらは諸説ありますが、松の内が終わった後の1月11日というのが、広く行き渡っている日にちです。
松の内が終わってから数日後に、下げる(→鏡開き)のですね。
もともとお正月は、古くは小正月(15日)までを松の内としていました。
ですので、松の内の終わった数日後の1月20日に鏡開きを行なっていたのです。
それが、江戸時代、三代将軍家光が慶安4年(1651年)4月20日 (旧暦)に亡くなったため、20日が忌日となりました。
そのため、幕府の命で大正月である1月7日までが松の内になり、その数日後(1月11日)が鏡開きとなったそうです。
ただ、関東以外にはあまり広がらなかったということで、地方によって、
1月20日に鏡開きを行なうところがあるのは、もともとの鏡開きの日にちだったということです。
京都では、1月4日にお鏡開きとして行なわれます。
まだ松の内ですが、神様はもうお召し上がりになった後という考えなのでしょうか。
さて、下げたお供え餅は、どうする?
鏡開きのお餅の食べ方は?
下げたお供え餅は、食べやすい大きさにして、調理していただくことが出来ます。
神様に捧げた後にいただくお下がりですね。
鏡開きは、神様に供えた鏡餅をお下がりとしていただき、新しい一年を健やかに過ごせるよう家族でお餅を食べながら、祈る儀式です。
神様に捧げたお供え餅を食べると、力が授けられ、その年も健康に過ごせると言われています。
私の祖母は、鏡開きの日によくかき餅を作ってくれました。
細かくしたお餅を油で揚げて塩を振るシンプルなものです。
お餅の大きさにより、中までサックリと揚がっているものや
たまに大きいかけらだと、芯が固いものもあったりしましたが、揚げたてのかき餅は美味しかったです。
さて、この鏡開きという言葉はどこから来たのでしょうか。
まず鏡餅ですが、これは丸いお供え餅が昔神事にも使われた青銅製の丸形の鏡に似ているところからその名が付いたようです。
そして、本来でしたらお餅を切って、調理することになるのですが、
お餅に刃物を入れる、切るという行為が武家社会では切腹を連想させるとして、避けられました。
その結果、手で割ったり、木槌で砕いたりして鏡餅を開き割ったので、鏡開きという言葉が生まれたのです。
実際のお餅を細かくする方法ですが、手で割る場合、ひびの入ったところから押し開くようにします。
木槌を使う場合はお餅が飛び散らないようにビニール袋に入れてたたくと良いでしょう。
ただ、手で割るとか木槌で砕くと言っても、昨今の住宅は機密性がよく乾燥しやすので、お餅は手や木槌で割ることが出来ない場合もあります。
その場合は、電子レンジで様子を見ながら加熱してみてください。
くれぐれも熱し過ぎないように。
お餅が溶けてしまうと、収拾が付かなくなります。
包丁が入る固さで取り出しましょう。
電子レンジに入れる前にお水につけるやり方もありますので、お餅の乾燥の度合いによって取り入れてみてください。
そして、鏡餅を使った料理は、お雑煮やお汁粉、かき餅が昔からありますが、もちピザなど現代のお料理でももちろんよいです。
要は、家族で一年の健康を祈って皆で食べること。
食べ物を無駄にせず、工夫して食べることにあると思います。
さて、鏡開きをしたお餅ですが、すぐに食べない場合もあります。
鏡開きのお餅はいつ食べる?
鏡開きをの時はまだ年頭ですので、お汁粉などにして、一年の無事を祈りながら、お餅をいただきますが、全部食べきれず、余ってしまったら、ぜひ、そのお餅を風通しの良いところで干してみましょう。
2週間~1ヶ月でカラカラになります。
これは、いわゆる保存食で、食べたいときにスープに入れたり、揚げたりして食べることが出来ます。
しっかり乾燥させれば1年くらいは持つそうですよ。
実際に、お正月のお餅を干して6月に食べるという東関東の地域があります。
平安時代からの、お正月と6月に長寿を願って固いものを食べるという行事があった名残で、6月1日が歯固めの日になっているそうです。
鏡開きのお餅のまとめ
鏡開きは、お正月に神様に捧げたお供えの鏡餅をお正月が終わってから、お下げして、家族でいただく行事です。
鏡とは丸いお餅が昔の青銅製の鏡に似ているためで、開くという言葉を使っているのは、切るという言葉が切腹をイメージさせてしまうことを嫌った武家社会ならではのこと。
現代では、広く一般に知られている行事ですので、堅苦しく考えることは無用です。
年に一度、年初めにいただくこのお餅は神様の気持ちが宿り、パワーを授かることが出来ると言われています。
調理方法もいろいろありますので、ぜひ、挑戦してみてください。