年賀状とは、新しい年を迎えるにあたり、常日頃お世話になっている方や普段なかなか会えない知人に感謝の気持ちを伝えたり、近況報告を交わすご挨拶の書状です。
そして、一年以内に近親者に不幸があった場合には、新年の挨拶を控えさせていただく旨をお知らせする喪中葉書(年賀欠礼挨拶状)を事前に送付するのが一般的です。
喪中葉書をもらった場合、相手への年賀状を出すのを控えるのが普通ですが、たまに行き違いがあったり、普段やりとりをしていなかった相手から年賀状をいただいてしまったりすることがあります。
そのような時はどのように相手にお返しをしたらよいでしょうか。今回は返信の文例と上司や友達への対応について、昔からのしきたりや、最近の傾向を含めてご紹介していきます。
喪中の年賀状のお返しはどのようにする?
喪中の場合、前年に年賀欠礼挨拶状(喪中葉書)を送付している方かそうでない方かに関わらず、何らかの形でお返しをしたほうがよいと思います。
それは、喪中葉書を出したはずが何かしらの事情で本人の手元に届いてない時もあるからです。
その場合、日ごろやりとりをしている相手ですと、あなたから年賀状が来ないことが心に引っかかってしまうかもしれません。
かえって余計な心配をさせてしまうこともあるのです。
喪中葉書を出していない方の場合も年賀状での返信を出来ないわけですから、ご挨拶を頂いたお返しを何かの形でしたほうが良いですね。
では、どのような形でお返しをしたらよいでしょうか。
このような場合は寒中見舞いとして相手方に出すことが出来ます。
寒中見舞いはもともと松の内(1月7日)が明けてから立春(節分2月3日*)前までに出す季節の便りで、一年のうちでもっとも寒さが厳しく閉ざされた季節に相手の心身を気遣い、また自分の近況報告を兼ねて出す手紙です。
たまたま新年に続く時期であるので、その便りを出す機会を利用しての喪中報告になります。*節分はうるう年の関係でずれることがあります。
ですので、文面としては、冒頭に 寒中お見舞い申し上げます。
となり、次に
喪中と知らずに年賀状を下さった相手に、お詫びと、お返事(返信)としての文章が入ります。
例え、昨年中にこちらから喪中葉書を出したつもりでもお詫びという配慮が好ましいでしょう。
また文中には、寒中見舞いの本来の目的である厳しい寒さの季節の中相手を気遣う言葉を入れておきましょう。
喪中の年賀状 返信の文例
喪中に年賀状を頂いた相手への寒中見舞いとしての文例を上げておきますので、参考にしてください。
皆様におかれましてはお健やかにお過ごしのことと存じます。
年頭にはご丁寧な年賀状をいただきましてありがとうございました。
実は、私の母が昨年○月に他界しましたため、年始の御挨拶を控えさせていただきました。連絡が行き届かず、大変失礼いたしました。
本年もどうぞ変わらぬご厚誼の程、宜しくお願い申し上 げます。
平成◯◯年 一月
年始早々に年賀状をいただきありがとうございました。
昨年、私の父が亡くなり、新年のご挨拶を控えさせていただきました。
欠礼のお知らせも行き届かず、大変失礼いたしました。
まだまだ寒い日が続きます。皆様くれぐれもお体をお大事になさってください。
平成◯◯年 一月
このような文面でいかがでしょうか。
喪中の年賀状 上司や友達への対応は?
上司など目上の方へのお返しは上記のような書面によるものが良いと思いますが、親しい友人の間では、メールなどで済ませる場合も少なくないようです。
この辺は個人の考え方によるところなので、絶対こうしなくてはいけないとは申し上げることは出来ません。
ただ年賀状というものはメールなどと比べて手間のかかるものです。
予定枚数を考え、購入をして一枚一枚、書くわけですから。
印刷してしまう場合もありますが、友人宛てのものですと、手書きで一言くらい書きますよね。一年に一度、一枚の葉書で一人の人に向き合うのです。
ですから、親しい間柄とは言え、葉書で来たものには葉書で返すのがベストではないかなと私は思います。
逆に近年、増えているメールでの年始挨拶を頂いた場合のお返しでしたら、こちらはメールで返信というのもありなのかなと感じます。
メールで年始の挨拶をしたところ、仰々しく葉書で返信が来たら、相手のかたも恐縮してしまいそうですよね。
この辺は、個人個人の考え方で多少違ってきますので、よく考えて決めてくださいね。
こちらの記事も読まれてます↓
喪中はがきに一言添えてお礼するのはタブー?それ以外の方法と文例
喪中の年賀状にお返しのまとめ
喪中のときに年賀状をいただいたら、こちらから喪中連絡をしているしていないに関わらず、お返しをしたほうがよいでしょう。
お返しは、年賀状ではなく、松が明けてから立春の前までに出す、寒中見舞いで喪中だったことを添えます。相手の方に1月8日から1月末くらいに届くように出しましょう。
葉書でいただく年賀状は一枚一枚気持ちがこもっていますので、出来たら、お返しも郵便の書面で返信するのが望ましいと思います。
ただ最近は、メールでの新年の挨拶も増えています。親しいお友達でしたら、メールで返すのもありかもしれません。
よく考えて、臨機応変に対応してくださいね。