お盆になると帰省してお墓参りをされる方もいらっしゃると思います。
お墓参りではお線香を持っていって焚きますよね。このお線香にはどういった意味があるのでしょうか。
また、皆さんはお線香をどんな向きで置いていますか。
そして、お墓を後にする時にはお線香に付いた火は消していますか。
ちょっとしたことですが、とっても気になりますよね。
お墓参りでお線香の意味は?
お線香の意味ですが、まずお線香は仏様にお供えをする五供の一つです。五供とは、香、花、灯り、水、食べ物の五つです。この中の香がお線香に当たります。
お線香はその香りで持って身を清める意味があり、私たちの俗世の心身を浄化して仏様や故人に向き合うという気持ちの表れとして使われます。
私自身のことで言いますと、自宅の小さな仏壇に向かう時には、お線香を焚くことで気持ちを落ち着かせ、しばし俗世のことを忘れた時間を過ごします。
そのことに寄って、故人もその場に寄り添ってくれるように感じられ、仏様にも見守られた気持ちになります。私は決して仏教の熱心な信者ではないのですが、一日のうちに5分でもそういう時間が持てるととても精神衛生上健康でいられる気がするのです。
そして、お墓参りの時は屋外でお線香を焚くことになるわけですが、やはり、故人とご先祖様へ日々の感謝の気持ちをこめて、お線香を焚きます。我が家の場合は、お寺の敷地内にあるお墓なので、お寺様への感謝も込めてお参りしています。
お墓参りの時期ですと、あちこちでお線香が焚かれ、お香の香りも然ることながら、視界は煙で霞んでまさに仏様の世界とこちら側との面会場所のように薄ピンク色に見えて、心なしか訪れている人たちが皆優しく、ゆったりとしているように感じられます。
お墓参りでお線香の向きってどうしてる?
私自身はお線香の向きについてはまったく何の疑問を持ったことはありませんでした。
我が家のお寺は真言宗で(主人のところも同じ)でお墓の石に付けられているお線香たては上向きに立てるように使う筒式のものです。そこにいつも束ねられているお線香を左右二束、供えていました。
宗派によって、お線香の供え方が違うことを知ったのはつい最近のことで友人と話していた時です。友人のご主人のご実家は浄土真宗で、仏壇のお線香は香炉に立てず、3つくらいに折って、香炉に寝かせて並べて置くそうです。初めに見たときはびっくりしたそうで、その場で聞いて、お姑さんから説明を受けたとのことです。
これは浄土真宗はもともと常香盤(じょうこうばん)というものでお香を焚いていて、お線香を使うときにも、その常香盤(じょうこうばん)の形態に準じた形で、用いるようになっているからだそうです。そして、お墓の方もお線香を寝かせて焚ける香炉になっています。
ただ、最近の洋式墓石では横型の香炉が主流のようですね。確かに横型のほうが最後まで燃え尽きてしまうので後片付けが楽です。
立てるタイプは筒の中に差し込んだ部分が燃え尽きずに残ってしまい、次回お参りをした時に固まってお掃除が大変かもしれません。我が家の場合は昔からお寺にじいやさんがいて、普段お墓のお掃除をしてくれているので、いつ行ってもきれいになっているのでとても感謝しているのですが。
お参りすることが大切と考えれば宗派にこだわらず、使いやすいほうに出来たらいいかもしれませんね。
お墓参りのお線香は消して帰る?
お墓参りの時に焚いたお線香、帰るときにはどうしてますか?お線香を焚く意味から考えますと、お線香を焚いている時間は故人やご先祖さまと同じ空間を共有している時でもあります。
お香の煙が漂い、香っている間はゆったりと心の中で会話したいもの。。ただ、十分にそれが出来たと感じてその場を去ることもありますよね。
つまり、お線香が燃え尽きてから帰っても、途中で帰っても、また、消してから帰ってもどの場合でも構わないのです。
消してから帰るという方は火の始末が気になる方だと思います。管理人が常に巡回してくれている霊園やお寺でしたらそのままでも大丈夫かもしれませんが、ひと気のないお墓ですと焚いたまま帰るのは心配ですよね。
そこで、普通サイズのお線香ですと燃え尽きるのに30分近くはかかるそうですが、15分もすれば燃え尽きてしまう短いサイズのお線香というのがあるのを見つけました。場合によってはこのようなお線香を選んで、燃え尽きてから安心して帰るというのも一案ですよね。
まとめ
お盆近くなると、ご実家に帰省したり、お墓参りをしたりする方も多いと思います。そこで、いつも気になりながら過ごしてきたお墓参りと切っても切れない関係にあるお線香についてお伝えしました。
ご先祖様や故人の眠るお墓に参り、向こう側の方たちとお会いするために身を清め、共有するする空間を整えるために焚くお線香、供え方はいろいろですが大事なことは自身の存在を感謝する気持ちです。今年は特にお線香にそんな気持ちを乗せてお参りできたらと思います。