お中元の季節に気になる喪中の場合のマナーについてはご存知ですか。
喪中の方へのお中元の送り方はどのようにしたらいいのか、悩んでいませんか。
熨斗や、送り状の書き方も普段とは変わります。
今回は喪中の方へのお中元について一緒に見ていきましょう。
お中元での喪中のマナーはどんなこと?
もともとお中元の中元とは、中国の道教の行事の行なわれる日、上元、中元、下元の三元のうちの一つで、それぞれに司る神がいます。
中元の日は旧暦の7月15日に当たり、中元生まれの地官(慈悲神さま)をまつり、この慈悲神さまが仏教の「盂蘭盆会」(お盆)の行事と結びついたそうです。
そして、中元だけが日本に伝わり、仏様にお供えをし、お世話になった方々へ贈り物をすると言う慣わしになりました。
つまり、お祝い事と違って日頃の感謝の気持ちの贈り物になりますので、喪中であるからと控えるものではありません。
ただ、気をつけるべきマナーとして、贈り物には華やかなもの、生もの、肉類を避けるのがよいでしょう。日持ちのするお中元として一般的なものを贈りましょう。
また、贈り先が喪中だからと、お線香や仏前にお供えするものをお贈りすることはお中元としての意味合いが違ってきますし、お相手の方も戸惑いますので、控えましょう。
贈る時期としては、仏教の場合、贈り先の49日の法要が過ぎた後が常識的です。
49日後がお中元時期を過ぎてしまう場合は、日頃のお礼とは贈り物の意味合いが違ってきてしまいますが、暑中見舞い(暑中御伺い)や残暑見舞い(残暑御伺い)として送ることも出来ます。
*暑中御伺い、残暑御伺いは目上の方の場合に使います。
それから、注意点としてお中元の品物は故人宛には贈らないということです。毎年お中元を贈っていたご本人が亡くなった場合はお中元は贈りません。
ただ、ご家族の方にも故人と同様にお世話になっていると言うことであれば、ご家族宛てに贈るという選択肢はあると思います。その場合もいつまで続けるかという問題もありますので、ケースバイケースで決めて下さいね。
喪中の方へお中元を送る場合の熨斗(のし)は?
喪中の方へお中元を贈る場合ののし紙ですが、通常ですと、熨斗(のし)が付いて、水引は紅白の蝶々結びになります。
蝶々結びは紐の片方を引けばほどけて、結び直しが出来ることから何度あってものよいお祝い事や季節の挨拶に使われます。(逆に一度結んだらほどけない結びきりの水引は結婚祝いや弔事に使われます。)
ここで、49日の法要を終えたお宅にお中元を贈る場合ですが、まだ、喪中であることには変わりない時期でしたら、気遣いとして、お祝い事の象徴である熨斗(のし)とお中元に用いる紅白の水引を付けずに贈るとよいでしょう。
その場合は無地のかけ紙(奉書紙)に表書きと贈り主名(自分)をフルネームで入れます。
下の写真は通常のかけ紙(いわゆるのし紙)
無地の掛け紙の場合は、上記の熨斗(のし)と水引のない無地の紙に御中元と贈り主名のみが入ります。
お中元を選んだお店でかけ紙をどうするか聞かれますので、熨斗と水引のない無地のかけ紙に御中元の表書きと贈り主名を入れてもらうようにしましょう。
ネット販売などで、無地のかけ紙が選べない場合は、備考欄に無地かけ紙の指定をします。
暑中見舞い(暑中御伺い)や残暑見舞い(残暑御伺い)の場合も同様です。
喪中の方へのお中元の送り状の書き方
喪中の方へのお中元の送り状の書き方は基本的には通常の場合と変わりはありません。お中元の本来の意味の日頃お世話になっている事へのお礼を述べる文面となります。
ただし、気を付ける点はまず、言葉遣いとして、亡くなった方がいることに留意し、「皆様」や「お元気で」「変わりなく」などの言葉は選ばずに、また、くどい表現も避けましょう。
そして、大事な家族を亡くした事への慰めの言葉は相応しくありません。暑中見舞いなどで贈る場合には、ご家族の方への気持ちやお体の心配の言葉などを控えめに入れてよいと思います。
お中元の送り状の文面の構成(喪中の方への場合)
・時候の挨拶
・お世話になったお礼
・今後のお付き合いのお願い
・贈ったものの内容と発送日(到着日)
時候の挨拶の例(7月)
梅雨明けの候
大暑のみぎり
梅雨明けとともに夏の暑さがうかがえる今日この頃です。
暑さが日ごとつのってまいります。
暑さがいよいよ厳しくなってまいりました。
猛暑が続いております。
蝉の声が聞かれるころとなりました。
御中元の送り状の例文(喪中の方へ)
梅雨明けとともに夏の日ざしが感じられる様になりました。
平素は大変お世話になり、心よりお礼申し上げます。
つきましては、日頃の感謝を気持ちとして、本日、心ばかりの品を送らせていただきましたので、お納め下さい。
今年の夏はとりわけ暑くなるようですので、どうぞご自愛下さい。
まずはお中元のご挨拶まで。
暑中見舞いで品物を贈る場合の例文(喪中の方へ)
暑中お見舞い申し上げます
○○さんがご逝去され、ご家族のお気持ちをお察し致します。
まだ暑い日が続くようですが、体調を崩されぬよう気をつけてお過ごしください。
本日、心ばかりの品を送らせていただきました。どうぞお納めください。
平成○○年 七月
まとめ
今回は、喪中の方へのお中元についてご紹介ました。お中元はお祝い事ではなく、感謝の気持ちで贈るものですので、喪中の方に贈っても構いません。
ただし、相手方の49日の法要が明けてからお送りするのが一般的です。その場合も喪中であることには変わりませんので、熨斗や紅白の水引は相応しくありません。無地のかけ紙にしましょう。送り状の言葉遣いや品物も控えめなもので送りましょう。
お中元の時期が過ぎてしまった場合は暑中見舞い、残暑見舞いで贈ることも出来ます。